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ウクライナ問題に関する黄色いリボンの会の声明

ロシアのウクライナへの軍事侵攻
及びそれに対する日本政府の対応について

 まず、いかなる理由があろうとも、『軍事力による国際秩序の変更』は『国際法の重大な違反』の疑いが濃厚で、そのことに対して厳しく『非難』し、『侵攻の内容(どの程度国際法を侵害しているか)を徹底検証』する必要があります。

(☆ロシアは侵攻の理由として①NATO諸国が“約束破り”のNATOの東方への拡大を行ったこと②ウクライナ東部のロシア系の住民をウクライナ政府が弾圧したことを挙げていて、『ロシア系住民の保護』をも理由にしています。)

 それに対してNATO諸国はロシアを非難し、(第三次世界大戦のリスクを踏まえて)直接戦争への介入はせずに“経済制裁”の強化(2014年から経済制裁は続いています)“武器(種々の装備)の支援”を行っています。

 ここからが本題になります。

 “経済制裁”は“世界の3/4の国々が同調しない”ことで単に実効性に問題が起きているだけでなく、

①(原油や天然ガスの価格の高騰などで)ロシアの貿易による収入が『4月だけで1兆円の増収(ロイター通信より)』になり、『長期的には約40兆円程度の増収(ブルームバーグより) 』となり、ロシアの軍事的な妨害になるどころか、『大幅に支援』している結果になっている。

②“ロシア産の非常に安価な天然ガスや大量の原油”への規制がはいったことで、“世界中が物価高騰”のあおりを受けている。(ロシア産の安価な天然ガスの恩恵を受けていた)“欧州諸国はすさまじい生活費の高騰”になり、食糧や(天然ガスを材料にする)“化学肥料”の世界的な高騰は世界中の貧困層の『飢餓リスク』を増大させ、さらにリスクが上昇する懸念をもたらしている。

 “武器支援”は“ウクライナ軍が不利になりにくい”効果はあるものの、『戦闘の激化』をもたらし、現時点で『停戦』や『講和』の目途が立ちにくい状況になっている。(※一応停戦交渉自体は行われているようです。)

 さらに“ウクライナのNATO加盟希望”が戦争の一因にもなっている(ロシアはそう主張)状況でNATO諸国は“武器支援”には熱心な一方、『停戦交渉』には非常に“消極的”に見えるだけでなく、しばしば、『プーチン政権を倒すのが目的』というような“挑発的な発言”も垣間見られる。

 上記の状況を踏まえ、私たち“黄色いリボンの会”はウクライナ戦争による“直接、間接的な被害者を最小限”にすることを願い、以下の提言をします。

◎戦争の被害を最小限にするために『即時停戦』を強く訴えます。

 そのためには、①『戦争停止に効果がない』だけでなく、『世界中の物価高騰や“飢餓リスク”を高める』“経済制裁”の速やかな停止、および、②『戦争を長引かせ』かつ『戦闘をより悲惨なものにする』リスクの多々ある“武器支援”の速やかな停止を『即時停戦』の条件とします。

◎岸田政権の今回のウクライナ戦争への対応について

 戦争当初は『比較的中立の姿勢』に見えた岸田政権ですが、『アメリカの駐日大使の助言』を受けて、一気に『NATO諸国べったり』に見える対応に変化したように見えます。

 “世界の3/4の国々”が“経済制裁に不参加”な状況で、『積極的に経済制裁参加』し、『“一方の当事者”のゼレンスキー大統領の国会演説』を積極的に開催し、『“戦争当事者でもない”のに、ロシアの外交官を追放』するのは『積極的にロシアを挑発』しているようにしか見えません。

 『平和条約を締結していない』ロシアとは『朝鮮戦争同様に“停戦している”だけ』で、何かのきっかけで『戦争がいつ再開してもおかしくない』ことを肝に銘じる必要があります。

 いつ『開戦してもおかしくない』状況では『交渉のテーブルを確保しておく』ことが非常に大切なのに、核大国であり、“世界最強クラスの軍隊を持つ”ロシアとの『交渉ルートを自ら断つ』のは“自殺行為”にしか見えません。

 様々な『外交能力』『危機管理能力』に欠ける岸田政権は大いに問題であり、さらに自民党内には『改憲して核武装が必要』とか、『さらに危機リスクを大きく高める』主張をする人たちまでいます。

 今の状況で“自民党を支持”することは“日本のリスクを無限大”にするようなものに思えます。

 そこで、次の参議院選挙では、まるで“戦争拡大を望んでいる”かのように“経済制裁”と“武器の支援”を応援するメディア報道に捉えられる事無く、『理性を持ってウクライナ問題に取り組める』政治家たちを選ぶべきだと考えます。

  黄色いリボンの会
2022年5月9日