臨時国会会期末の2022年12月10日、旧統一教会による「霊感商法」問題を受けた「被害者救済法」が参議院本会議でスピード可決、成立し、23年1月5日に施行されることになりました。しかし、その中身は不十分で、継続的な検討が必須と考えます。
例えば、
・法案では、教団など法人に対しての寄付を対象としていますが、統一教会の寄付のやり方は教会長など個人に対して行うため、統一教会にこの救済法案は適用されません。
・また法案では、寄付を「要求」することを禁じていますが、信者が「自主的に」献金した形にすれば違法になりません。「いくらでも逃げることが可能」です。
・さらに信者本人の代わりに家族などが献金の「取消権」を行使しようとする場合の要件がやたらと厳しく、信者本人の扶養請求権の範囲内という制限や、献金した本人に「資産が残っていないこと」「不動産を所有していないこと」という不可解な必須条件があることによって救済範囲が狭められています。
・法案では、法人が個人を「困惑」させて寄付勧誘することの禁止や、信者の配偶者や子による寄付の取り消しを可能にする特例措置が盛り込まれています。しかし、全国弁連は、法人に限らず信徒団体なども規制対象に含め、困惑だけでなく「正常な判断ができない状態に乗じた」と修正する必要があると指摘しています。
・全国弁連は、骨抜きになった法案に対し、①「正体隠しによる勧誘方法そのものを規制すべき」②被害者への補償は「教団に支払わせるのが筋」③「上位下達の教祖独裁組織である統一教会は、日本の教団の幹部とて、中間管理職に過ぎませんから、暴力団などの組織犯罪の罪を問う場合と同じく、組織の頂点にいる韓鶴子総裁の『使用者責任』が問われる必要がある等の指摘をしています。
そもそも、旧統一教会の問題点は、
・自民党は選挙活動などで“安倍元首相を中心に”多くの議員たちと教団が協力関係にあり、“政教分離の原則”に明らかに反しています。
・様々な手法を通して、普通の人を『洗脳』して、多額の資金を“詐欺同然に巻き上げ”ています。
・日本には“朝鮮半島の人たちを弾圧した罪”があり、それを“償わなければならない”という教義であり、『日本人信者は償う』ことが事実上の義務になっています。
・“反日政策”を教義とする教団と政治家や政党が政治家、政党としての立場で深い関係があるだけでなく、“統一教会や教会と深い関係にある団体”の主張する政策や改憲案を自民党が推進している疑惑が濃厚です。
例えば、自民党が全力で進めようとしている憲法改正案にある緊急事態条項の創設から自衛隊明記に至るまで<統一教会の主張>とそっくりであり、家族や婚姻についての基本原則(憲法24条)にも「家族は社会の自然かつ基礎的な単位として尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」など一言一句同じ文言が盛り込まれ、統一教会の政治団体「国際勝共連合」が提唱してきたものとウリ二つであることが判明しています。
当会(黄色いリボンの会)は、違法な勧誘をする統一教会の解散はもちろんのこと、政教分離の原則などから、政治家(主に自民党岸田政権)と統一教会との“協力関係”を一刻も早く、かつ、完全に断ち切る必要があると考えます。
同時に
・統一教会の被害者の救済は、すべて、教団に支払わせるのが筋で、国民の税金を使わずに行うべき
・このように被害者を次々と生み出す反社会的団体に免税特権が与えられているなど、許されることではない
・統一教会の被害者個々人の救済のためにも、統一教会が日本で集めた巨額資金がどこへ流れ、どのように使われたのか、文鮮明が北朝鮮に送金をした後、北朝鮮への資金の流れはどうなったのかなど、国際的な問題として追及すべき
・統一教会の全容を突き止めるためにも、強制捜査が必要。上位下達の教祖独裁組織である統一教会は、日本の教団の幹部とて、中間管理職に過ぎないため、暴力団などの組織犯罪の罪を問う場合と同じく、組織の頂点にいる韓鶴子総裁の「使用者責任」が問われるべき。そのためには、少なくとも日米韓の国際的な捜査協力体制の構築が必要
・国内だけでなく、海外にある統一教会の資産を差し押さえて、被害者への弁済にあてるべき
であると考えます。
2022年12月31日
(以下参考リンク)
「家族の被害救えない」旧統一教会被害者救済法案 紀藤氏ら弁護士が修正求め声明…取り消せる寄付の範囲狭すぎ:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
東京新聞 22/11/21
☆日刊IWJガイド・非会員版「日本の統一教会への強制捜査だけでなく、統一教会トップの韓鶴子総裁への『使用者責任』を問うべく、国際的な捜査協力体制を構築すべき!」2022.11.21号~No.3721号
引用元) IWJ 22/11/21
☆統一教会とズブズブじゃないか 「反日カルト」と密だった自民・清和会 次々に暴かれる両者の関係 戦後政治の闇引きずり出す
政治経済2022年8月2日 長周新聞